あとがき


 2004年の正月に、この作品は連載を開始しました。
 そして、このあとがきを書いているのが2006年の8月初めなのですから、実に2年半もの執筆に及んだわけです
ね。いやぁー、本当に長かった。ここまで読んでいただいた読者の皆様、本当にお疲れ様でした。

 さて、この2年半の間にも、様々な出来事がありましたが、その中でもやはり最も大きな出来事といえば大学受験
ですね。2005年5月下旬に第四章に突入した段階でキリがいいと思い、130話を以て更新停止としたわけです。そ
の後、無事(なんとかギリギリのところで)大学受験を終わらせて再開したのが2006年3月下旬ですから、実質執
筆期間は2年間くらいだったのですね。とりあえず、自分に対してもご苦労様。

 そうですね……本当にこの作品は長かったので、書きたいことが沢山ありました。まずは、185話(000話を入れ
たなら186話ですが、もう面倒なのでその辺りは割愛させてください)という大作になってしまったわけですが、当初
のプロットでは130話で終わる予定だったのですね。本当に延びた延びた。もう執筆途中から書きたいことがどんど
んと増えてしまいまして、受験終了後はほとんど話数とか考えずにとにかくガシガシと書き進めていましたね。
また、68人という大人数なのも、今となってはなんでこんな数にしたんだろうと思ってます。恐らく戦闘実験第68番
にかけたのだと思いますが、当時の最大人数が岸谷さんの64人だったので、それを超してやろうという魂胆もあった
のかもしれません。えーと……ちなみに直後にめのうさんが70人バトルを始めまして、さらにその後岸谷さんが152
人バトルを始めたわけですが。(笑)

 先に今後の予定をば。
今後は、当初の予定通りRENZOKU38号の執筆に取り掛かりたいと思います……が、暫くは準備期間を設けたい
と思います。というのも、どうも夏のアンソロに参加して以来、私自身も即売会で本を売ってみたいという願望が芽生
えてしまいまして、アルバイトを始めて経済的にも少しだけ(高校時代に比べれば)余裕が出てきましたので、少し挑
戦してみるのもいいかと思いたち、今度冬の即売会に申し込んでみようかなと検討中です。あぁー、きっとこの文章、
2,3年経って見たらきっと恥ずかしいんだろうなぁ。(苦笑)
で、その状況によってはまた動きが変わってしまうこともあるかもしれないので、執筆再開時期は未定としておきます
が、とりあえず9月中までには再開すると思います。今は余韻に浸らせてください。(笑)


 さて、では各々の生徒について少しずつ個人的感想でも。


 粕谷 司(男子7番)。
本編の主人公その1なわけですが、当初のプロットでは主人公ですらありませんでした。ですが、よく考えたら彼が
最も主人公らしいのではないかと思い、急遽主人公に仕立て上げました。中盤全く出番が無かったりするのはその
名残です。主人公がジェノというのはもうありふれている設定なのかもしれないのですが、わけありの人物を作ってみ
たかった。それが彼の誕生に結びつきました。もう登場時から爆弾的な伏線を抱えていた彼ですが、どうなんですか
ね。死亡率が100%という設定、それからライバルに勝ちたいという願望から歪み出たデスゲーム、唐津をジェノにし
たのは間違いなく彼ですから、かなりゲームを引っ掻き回した存在でしょう。やっぱり主人公はこうでなくちゃ。

 秋吉快斗(男子1番)。
同じく主人公その2。当初のプロットでは彼のみが主人公という設定。全体的に彼が目立っていたのはその名残です
ね。さて、そういうわけで優勝したのは彼なんですが、実は私の作ったプロットの中では主人公が優勝するのは初め
てなんです(連動2のプロットはこれ以降で製作しました)。やりたかったのは、ピンキリの恋人。そうすれば最初から
一緒に行動できますからね。そして、別れ、再会直後の死亡、そして絶望→自殺→弾切れで助かる。きちんとほぼプ
ロットどおりに動かすことが出来ました。いつも彼女と支えあっていたから、別れたときに不安定になるその様子が上
手く書けたかな。

 湾条恵美(女子34番)。
というわけでピンキリとして誕生したのが彼女。私は剛毅という熟語が大好きだったので、主人公二人には剛を、そし
てヒロイン的女性には毅の字を与えて今回は動かしてみました。精神的にはかなり強い女の子を書いてみたかった
のですが、どうでしたか。同じく互いの支えがなくなったとき、精神が強いときっとどんなことでもやっちゃいそうな気が
するので、後半は本当に自由に動かすことが出来ました。ある意味一番の苦労人ですね。明らかに死亡してもおか
しくない状況で生き残るのはお約束。そして、あっさりと殺されてしまう辺り、私としても凄く歯痒かった。大切な人を
失う気持ちが、よく描けていたかなぁ。

 辺見 彩(女子20番)。
設定を生かしきれなくてごめんなさい。司の幼馴染という設定で登場した彼女は、司の想い人でした。永野優治が好
きであることは直接は口にはしていませんが、雰囲気で示せれば幸い。本当は原作の千草と杉村の逆パターンで司
に向かって、好きな人は司じゃないと告げるシーンがプロットにはあったのですが、流れ的に相応しくないと思ってカ
ット。てか、この子司に好かれてるのに司自身が彼女の事をデスゲームに夢中になりすぎて忘れてしまったので、あ
まり絡みが出せなかったのが心残りです。俊敏力の異常さですが、隠れた才能ということで。そうでもしないとあそこ
まで生き残れませんから。

 唐津洋介(男子8番)。
司のライバル。とりあえず出席番号だけは勝っているということで、司の後ろの生徒を選択。完璧ではないけれど、司
には必ず勝つという設定なわけですが、少しだけ原作の桐山を意識しました。無口で冷徹なんですが、終盤、その本
心を初めて唐津視点で語るときは、読者がどんな気持ちになるのかドキドキものでした。なんせ、それまでの印象を1
80度覆すものでしたからね。最も司思いだった彼。そんな彼が第四章の最初の犠牲者ということもあって、驚かれた
方も多いのではないでしょうか。

 辻 正美(女子11番)。
一方こちらは一番出だしの遅かったジェノです。辻という苗字は勿論辻斬りからとらせていただきました。刀中心でば
っさりばっさりやっていくキャラを書いてみたかった。また、彼女視点でのやる気となった理由はジェノの中では最も早
かったんですが、どうでしたかねぇ。人を斬り殺したい感情を持ったことなど無いので、リアリティに欠けてしまうかもし
れませんが。(苦笑) とりあえず、フェンシング対剣道と、真剣試合は出来たので満足です。一番幸せに死んでいっ
たキャラでしょう。死亡の扱いが湾条と正反対です。

 長谷美奈子(女子18番)。
比較的早めに登場した、純粋にやる気になっているジェノ。このプログラムを利用して、人生をリセットしようと考えて
いる彼女です。この作品の中では、唯一明確に生き残りたいと思って行動しているキャラでした。コンセプトとしては、
銃以外の武器を駆使して戦っていく女子、ですかね。中でも絞殺人数には圧巻。あの唐津に対しても、絞殺なわけで
すから、運動神経は抜群です。身軽な子を想定したんですけどね。だから、銃を乱用する時点で彼女を消すプロット
は完成していました。銃ジェノは唐津だけで充分。

 望月道弘(男子32番)。
トロカルチョはその場で考え付きました。とにかくバカでよく喋る不良グループリーダーを意識して書いたかな。彼の
役目は野良犬のザコ要員をあっさりと消し去ること、それからさらに格上にあっさりとやられることでした。トトカルチョ
上位メンバーの中では唯一不遇な生徒でしょうね。

 峰村厚志(男子31番)。
どのプログラムにもいる、終盤まで生き残る一般人です。激怒するととんでもない力を発揮すると書いておきながら、
実際にはあまり描写する機会がありませんでした。反省。

 永野優治(男子22番)。
プロットから逸脱した生徒その1ですね。当初はフェンシング設定なんかありませんでしたし、どっかその辺で適当に
消えてしまう生徒でした。だけど、折角第四章まで残っておいてそれはないだろうと思っていたら、いつの間にか辺見
の恋人になり、フェンシング対剣道を実現し、はたまた当初はやる気であったという設定に。おかげで彼の描写がち
ぐはぐです。もっとしっかり練りこんでキャラは作らないと駄目ですね。

 朝見由美(女子1番)。
同じくプロットから大幅に逸脱した生徒その2。コンセプトは、第四章突入時点でほぼ何もわかっていない生徒、とい
うだけだったのに、いつの間にかめちゃくちゃいいキャラに成長。不良だけど根は優しい子になって、湾条を唐津から
救い、唐津と長谷を鉢合わせにする要因を果たし、そして秋吉を翻弄し、挙句の果てには辻と対峙、フェンシング対
剣道の要因ともなった素晴らしいキャラに育ってくれました。第四章でしか主な登場シーンはありませんでしたが、一
番後半戦を引っ掻き回したので結構印象に残っている方も多いのではないでしょうか。

 奈木和之(男子23番)。
コンセプトは、最強の武器を支給されながら全く使わずに終盤まで一箇所に隠れ続ける生徒。彼のお陰でゲームは
ほとんど進行しませんでしたね。てか、結局そのマシンガンは島田と長谷を撃ち殺しただけですか。ある意味、彼の
願いは成就したのでしょう。それより、遺言は当初は全く考えていませんでした。プロットでもキレずに黙って司に撃ち
殺されましたし。ただ、やはり目の前で告白してきた女子が死ぬのは辛いと思います、はい。

 砂田利子(女子8番)。
第二章、第三章に渡って一番よく動いてくれました。最初は脱出版に位置し、次は唯一の生き残りとして、湾条達と
行動を共にしました。最後のシーンはほぼプロットどおりだったので、よく描けたと個人的には思います。双子設定は
ありきたりだったので年子設定です。ちなみに年子と利子という名前は偶然です。プログラムを通じて、次第に精神
的な成長が描けましたでしょうか。唯一の特別プログラムによる死者。首輪による死者。

 砂田利哉(男子14番)。
利子の年子の兄です。無邪気な妹に対して心配する役割。でもあまり目立たなかったね。主人公グループの中でも
最も早い退場でしたし、扱いが不遇すぎました。反省。

 米原秋奈(女子23番)。
パソコンオタク。実は本編の最初と最後の色つきの名前はどちらも彼女だったりします。最もゲームを引っ掻き回した
存在ですが、エピローグで語られているように、彼女もまた操り人形だったのですね。ただ、本部を本当に爆破させて
兵士側に多数の死者を出したのは珍しいのではないでしょうか。コンセプトは脱出、それとやってみたかった特別ル
ールの引き金役です。

 遠山正樹(男子19番)。
第三章で、ちょこちょこと出てきた生徒。初期の段階で脱落した西村の親友、そしてまだ登場もしていない芳賀の親
友ということで、色々な話をくっつける役目を果たしました。その性格上、利子同様に第四章まで生き残せないキャラ
だったので、最後は快斗を助ける役目に。武器をずっと明かさずにいたのは、そうでもしないと絶対に居合道の快斗
に渡すんだってばれちゃうじゃないですか。(笑) もどかしくさせたかったというのもありますが。

 遠藤保美(女子3番)。
さりげなく剛毅のサブタイトルの台詞を言っている生徒。その割には結局印象が薄いキャラになってしまった。むしろ
沖田の強さをはっきりとさせた。唐津と遭遇しなければ沖田ももっと生き延びたんだけどなぁ。

 間熊小夜子(女子25番)。
第三章で、傷ついた湾条と利子を助ける為に登場した生徒。それ以前にも牛尾殺害の要因となったり、友部撃退要
員だったりと登場シーンはそれなりにあったかな。強い姐御的存在でした。本来のプロットでは辻に斬らせるつもりだ
ったのですが、それだとあの『弾切れ』が出来なくなるので、急遽長谷に差し替えました。ちなみに辻が斬った新倉・
星野ですが、彼女らは当初は長谷によって殺される予定でした。

 友部元道(男子20番)。
第二章で色々と登場する生徒。今回のプログラムには銃器類が少ないことと、その数少ない銃を支給された生徒を
描こうと思いまして。それで、何度も狙撃に失敗して、最終的には彼女を撃ち殺してしまう、少しだけ可哀想な生徒。
快斗と恵美を引き剥がす重要な役割も果たしました。

 日高成二(男子28番)。
プロットから逸脱した生徒その3。当初は原作の月岡よろしく勘が冴えて唯一爆破から逃れる野良犬要員でした。結
局は長谷にやられますが。それだと味気ないので、急遽ピンキリコンビと遭遇させることに。そこでいい人っぷりと、
湾条の情報端末機の認知を高める要素として活躍。でも出席番号が遅すぎた。おかげでかなり時間的には無理なこ
とになってます。そこだけは反省。

 最後に、蒔田信次
ただの兵士がここまで大きくなるとは思いませんでした。いつの間にか門並増美と結婚してますし、道澤さんともかな
り仲良くなってますし。当初は会場に放り出す予定もありませんでしたが、結果的に秋吉と遭遇して、最後はあんな
締めくくりになったわけです。本当に偶然って恐ろしい。寺井晴信と並ぶ頻度の兵士に仕立て上げたいと思います。
折角ですから。

 その他の生徒はほぼプロットどおりに書けたので満足です。今更その役割について述べても意味は無いと思いま
すので、割愛したいと思います。ですが、きちんと68人分書ききりました。即死キャラも個人的には1人もいません。
それぞれにきちんとした台詞があり、補完があり、意思がありました。それらを感じていただければ幸いです。
それでは、本当に長くなってしまいましたが、これにてあとがきを終わらせていただきます。本当に長い間の付き合
い、ありがとうございました。


 宜しければ感想等、掲示板にでも残してやって下さい。
 管理人の意欲に直結します。とても感謝です。

 では。(¨)ゝ




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