あたしこそが、生き残るべき存在なんだ。 あたしは、誰にも負けない。 あたしは、誰にも邪魔されない。 全ては、なにもかもを……リセットするために。 ぱらららら。 突如鳴り響いた別の銃声。それは、あたしの全身を引き裂いた。 なにもかもが、ぐちゃぐちゃにされる感触だった。混ぜて、捏ねて、埋れて。 「あああああぁぁぁぁぁぁっっっ!!」 あたしは、叫んだ。 痛みが全身を駆け巡る。電撃が全身を迸る。 誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ?! 誰があたしの邪魔をするんだ?! 誰にもあたしの邪魔はさせない。誰にもあたしの邪魔はさせないんだ。 ぱららららららららら。 振り返ろうとしたあたしを、さらに銃声が引き裂く。 再び訪れる耐え難い痛み。もう、心も体もぐちゃぐちゃだ。 「がああああぁぁぁぁぁぁっっっ!!」 なぜだ?! なぜ邪魔をするんだ?! あたしは幸せになりたいだけなんだ! その為に生き残ろうとしているんだ! あたしは幸せになりたいだけなんだ! その為にクラスメイトを殺しまわったんだ! ただ……幸せになりたかっただけなんだ。 ……なのに。 なのになのになのに。 どうしてさせてくれない? どうしてあたしの邪魔ばかりする? なにもかもがぐちゃぐちゃだ。 もう、どっちが上でどっちが下なのかもわからない。 どうして……あたしは頑張ったのだろう? どうして……こんなにも辛いのだろう? 幸せになりたい。 ただ、それだけなのに。 どうして……こんなにも悲しいのだろう? あたしが何をした? ルールに従って生きて、何が悪い? あたしが何をした? ルールに従って生きて、何故批判する? だって……幸せは待ってもやってこないでしょ? だから自分で掴み取る為に、頑張るんでしょ? だから……あたし、頑張ったよね? 頑張ったけど、駄目だったんだよね……。 積み上げてきたもの全部、無駄になっちゃったんだよね……。 あたしは、地面に倒れた。 もう、起き上がろうとする意思もなかった。 首を横に傾ける。そこには襲撃者がいて、あたしのマシンガンを眺めていた。 はは……あたしのマシンガンがそんなに気に入ったのか? いいよ、やるよ。 それで、好きなだけクラスメイトを殺しまわるがいいさ。 襲撃者は、悲しそうな顔をしていた。 そして、横たわっているあたしを見ている。その眼は、虚ろだった。 そして……呟いた。 「 な ん で 、 こ ん な 奴 に 」 はは……意味が、わから……ないや…………。 ぱららららららら。 また、銃声が鳴り響いた。 全身が、ゴムボールのように弾む。ふわふわと、体が浮かび上がる。 ……悲しかった。 あたしは、ただ……幸せを、望んでいただけなのに、と。 ……ごめんなさい。 そして……さよなら。 女子18番 長谷 美奈子 死亡 【残り6人】 PREV / TOP / NEXT |